金貨の密輸


「ゴルゴ13」のさいとう・たかを先生が、1964(昭和39)年から連載していた劇画版007の復刻版コミックが届いたのでさっそく読みました。 「ゴルゴ13」が好きで、007はもちろん好きである私には、今回の復刻版は悲願でした。 (数年前、神保町の書店で初版を見つけた時は、とんでもない値段で購入を断念していた) 今回復刻されたのは「死ぬのは奴らだ」と「サンダーボール作戦」。 今月下旬に「女王陛下の007」と「黄金銃を持つ男」も復刻されます。 驚きました。面白くて(笑)。 これはもしかすると、イアン・フレミングの原作や映画版を凌駕する出来かもしれません。 ただし原作とも映画とも大きく異なる、ほぼオリジナルな展開を見せます。 ジェームズ・ボンド(劇中ではジェームス・ボンド)は原作よりも映画よりも若い設定で、ジョージ・レイゼンビーに近い感じ。顔はほとんど若いデューク東郷なのですが、ユーモラスな性格はロジャー・ムーア風です。 「死ぬのは奴らだ」は、敵役がミスター・ビッグであることはオリジナルと同じですが、金貨の密輸をめぐる物語なので、その点は「ゴールドフィンガー」のようです。 「サンダーボール作戦」ではスペクター(劇中ではスペクトル)が登場。そのボスはブロフェルドではなく、実は…というのがミソ。「死ぬのは…」には登場しなかったMも登場します。 「死ぬのは…」の巻末には、さいとう・たかを先生が連載当時を述懐するインタビューを収録。 「わし、原作読んでないのよ」には笑ってしまいますが、ちゃんと007の世界観を活かしつつも、後の「ゴルゴ13」につながるアクション・シーンを描いているあたり、その後の天才漫画家の将来を予見しているかのような作品です。 復刻してくれて本当に良かった。 今年購入したコミックのトップに位置する作品です。

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